社内ポータルは外注すべき?内製との違い・メリット・費用感をわかりやすく解説

社内ポータルを構築したいが、自社で作るべきか外注すべきか迷っている」という声をよく耳にします。自社で制作すれば費用を抑えられる一方、専門的な知識や時間が必要になり、結果的に使いにくいポータルになってしまうリスクもあります。

外注には一定の費用がかかりますが、プロの知見を活用できるため、社員に愛用される効果的なポータルを構築できる可能性が高まります。本記事では、社内ポータルの外注を検討している企業担当者に向けて、外注のメリット・デメリット、内製との違い、費用相場、選定時の注意点まで総合的に解説します。

社内ポータルの構築方法2択:「内製」か「外注」か

社内ポータルを構築する際の選択肢は大きく分けて2つあります。それぞれの特徴を理解した上で、自社に最適な方法を選択することが重要です。

社内ポータルの構築方法は「内製」か「外注」か

内製の選択肢:社内リソースでゼロから作る or テンプレート活用

内製の場合、完全にゼロからシステムを開発するか、WordPressなどのCMSやクラウドサービスのテンプレートを活用する方法があります。社内にエンジニアやWebデザイナーがいる場合は、自社の要望を直接反映させやすく、継続的なメンテナンスも対応しやすいという利点があります。

ただし、UI/UX設計や情報アーキテクチャの専門知識が不足していると、見た目は整っていても実際には使いにくいポータルになってしまう可能性があります。

外注の選択肢:制作会社・開発ベンダーに依頼

外注では、Webサイト制作会社やシステム開発ベンダーに依頼する方法があります。専門的な知識と豊富な経験を持つプロフェッショナルが、要件定義から設計、開発、運用支援まで一貫してサポートしてくれます。

制作会社によって得意分野が異なるため、社内ポータルの構築実績や、自社の業種への理解度を事前に確認することが重要です。

どちらにもメリット・デメリットがある

内製と外注にはそれぞれ異なるメリット・デメリットがあり、企業の状況や目的によってベストな選択肢は変わります。重要なのは、短期的なコストだけでなく、長期的な運用効果や社員の満足度まで総合的に判断することです。

社内ポータルを外注するメリットとは?

外注を選択することで得られる具体的なメリットを詳しく見ていきましょう。これらのメリットが自社の課題解決につながるかどうかが、外注を検討する重要な判断材料となります。

社内ポータルを外注するメリットとは?

① 専門家による最適な設計とUI/UX改善

外注の最大のメリットは、UI/UX設計の専門家が関わることです。社内ポータルが使われない最大の理由は「使いにくさ」にあります。プロのディレクターやデザイナーは、ユーザーの行動パターンを分析し、直感的で使いやすいインターフェースを設計できます。

情報の整理方法、ナビゲーションの配置、検索機能の設計など、社員が迷わずに目的の情報にたどり着けるような導線を構築してくれます。

② 社員が使いやすい導線設計・検索性の強化

外注先の制作会社は、多くの企業の社内ポータル構築経験から、どのような情報配置や検索機能が効果的かを熟知しています。社員のITリテラシーレベルに応じた設計や、頻繁に利用される情報への効率的なアクセス方法を提案してくれます。

また、スマートフォンからのアクセスやリモートワークへの対応など、現代の働き方に合わせた設計も期待できます。

③ 自社にない技術やノウハウの活用

外注することで、自社にはない最新の技術やノウハウを活用できます。セキュリティ対策、パフォーマンス最適化、アクセシビリティ向上など、専門的な知識が必要な領域についても、プロの視点からの提案を受けられます。

さらに、他社の成功事例や失敗事例を踏まえた提案も期待できます。

④ トラブル対応・保守も任せられる

システム障害等が発生した際の対応も、外注先にサポートしてもらえます。社内にシステム担当者がいない企業や、専門知識が限られている場合は、このサポート体制が大きな安心材料となるでしょう。

定期的なアップデートやセキュリティパッチの適用なども、専門業者に任せることで確実に実施できます。

⑤ 工数削減&スピーディな導入

外注により、社内の人的リソースを本来の業務に集中させることができます。また、プロの制作チームが効率的に作業を進めるため、内製と比較してスピーディな導入が期待できます。

特に、期限が決まっているプロジェクトや、他の重要な業務と並行して進める必要がある場合は、外注のメリットが大きく発揮されます。

外注のデメリット・注意点は?

外注には多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットや課題も存在します。これらを理解した上で、適切な対策を講じることが成功への鍵となります。

社内ポータル 外注のデメリット・注意点は?

費用がかかる

最も明確なデメリットは費用負担です。内製の場合は主に人件費のみですが、外注では制作費、設計費、保守費用などが発生します。ただし、「安かろう悪かろう」になりがちなため、価格だけでなく提供される価値を総合的に判断することが重要です。

適正な予算設定と、費用対効果を見極める視点が必要になります。

要件定義や運用方針は依頼者側の協力が必要

外注先がどれだけ優秀でも、社内の業務フローや組織構造、利用者のニーズを正確に把握するためには、依頼者側の積極的な協力が不可欠です。要件定義の段階での情報共有が不十分だと、期待通りの成果物が得られない可能性があります。

外注だからといって全て任せきりにするのではなく、プロジェクトに積極的に関与する姿勢が求められます。

外注先選びを間違えると失敗する

外注先の選定を誤ると、予算をかけたにも関わらず使いにくいポータルが完成してしまうリスクがあります。特に価格の安さだけを重視して選定すると、設計や機能面で妥協を強いられる場合があります。

実績、提案力、アフターサポートの充実度など、総合的な評価基準で外注先を選定することが重要です。

内製と外注の違いを比較

内製と外注の特徴を表で比較すると、以下のような違いが明確になります。

項目内製外注
初期コスト安い(主に人件費)高い(制作費が発生)
導入期間長期化しやすいスピーディ
クオリティ担当者のスキル次第プロの品質が期待できる
機能性社内スキルに依存高度なカスタマイズが可能
運用負荷全て自社で対応外注先と分担可能
柔軟性変更対応が迅速契約や仕様変更に時間要
専門性社内知識に限定最新技術・ベストプラクティス活用

この比較表から分かるように、どちらが優れているかは企業の状況や優先事項によって変わります。コストを重視するか、品質を重視するか、スピードを重視するかによって最適解は異なります。

外注を検討すべきケースはこんな時

以下のような課題を抱えている場合は、外注によって大幅な改善が期待できます。

社員のITリテラシーにばらつきがある

年齢層や部署によってITスキルに大きな差がある企業では、誰もが直感的に使えるインターフェースの設計が重要になります。プロのUI/UXデザイナーは、幅広いユーザー層に対応した使いやすい設計を実現できます。

既存のポータルが使われていない

現在のポータルのアクセス数が少ない、更新頻度が低い、社員からの評判が悪いといった状況では、根本的な設計見直しが必要です。外注により、利用者の視点に立った抜本的な改善が可能になります。

情報が整理されておらず、検索できない

情報の分類方法や検索機能に問題があり、必要な情報にたどり着けない状況では、情報アーキテクチャの専門知識が必要です。外注先の経験とノウハウにより、効率的な情報整理と検索性の向上が実現できます。

更新が面倒で誰も投稿しない

コンテンツ管理システムが使いにくく、情報の更新や投稿が滞っている場合は、管理者向けの操作性改善が必要です。外注により、直感的で効率的なコンテンツ管理機能を構築できます。

スマホやリモート対応が求められている

モバイルデバイスでの利用やリモートワークでのアクセスに対応する必要がある場合、レスポンシブデザインやセキュリティ対策などの専門技術が必要になります。

外注費用の相場感と注意すべきポイント

社内ポータルの外注費用は、規模や機能によって大きく変動します。一般的な相場感と、費用を検討する際の注意点をご紹介します。

小規模な社内ポータル(基本的な情報共有機能のみ)の場合、100万円から200万円前後が相場となります。既存のCMSをベースに、必要最小限のカスタマイズを行う場合の費用感です。

中規模から大規模なポータル(多機能・高度なカスタマイズ)では、200万円から300万円以上の予算が必要になることが多くなります。独自の業務システムとの連携や、複雑なユーザー権限管理、高度な検索機能などを含む場合の費用です。

重要なのは「安さ重視」ではなく「目的に合った設計」ができるかどうかです。価格だけで判断せず、提案内容、実績、サポート体制を総合的に評価することが成功への近道です。また、初期費用だけでなく、運用・保守費用も含めたトータルコストで検討することが大切です。

外注先を選ぶときのチェックリスト

外注先選定時に確認すべき重要なポイントを整理しました。

社内ポータルサイト 外注先を選ぶときのチェックリスト

WordPressなどCMSの実績があるか

社内ポータルの多くはCMS(コンテンツ管理システム)をベースに構築されます。WordPressやその他のCMSでの開発実績が豊富な外注先を選ぶことで、安定した品質と効率的な開発が期待できます。

UI/UX設計や導線構築に強いか

技術的な開発力だけでなく、ユーザーエクスペリエンスの設計に長けているかが重要です。過去の制作物を確認し、使いやすさを重視した設計ができているかをチェックしましょう。

業種理解がある or ヒアリング力があるか

自社の業界特有の業務フローや課題を理解できる外注先を選ぶことが重要です。同業界での実績がなくても、丁寧なヒアリングを通じて業務内容を理解しようとする姿勢があるかを確認しましょう。

制作後の運用支援・保守も対応可能か

ポータルは構築後の運用が重要です。継続的な保守・メンテナンス、機能追加、運用サポートまで対応できる外注先を選ぶことで、長期的な安心感が得られます。

まとめ

社内ポータルを自社で制作するか外注するかの判断は、企業の目的、予算、社内リソース、求める品質レベルによって決まります。内製は費用を抑えられる一方、専門的な知識や時間が必要になり、結果的に使いにくいポータルになるリスクがあります。

外注は一定の費用がかかりますが、プロの知見を活用することで「使われるポータル」を構築できる可能性が高くなります。特に、UI/UX設計、情報アーキテクチャ、検索性の向上など、専門的なスキルが要求される領域では、外注のメリットが大きく発揮されます。

既存のポータルが活用されていない、リニューアルを検討している、本格的な運用を目指している企業には、外注による専門的なアプローチをおすすめします。重要なのは、価格だけでなく、実績、提案力、アフターサポートを総合的に評価した外注先選びです。

社内ポータルの制作・リニューアルを外注したい方へ

インスパイアデザインでは、社内ポータルサイト制作において、UI設計から構築、運用支援まで一貫してご支援します。豊富な実績と専門的な知見で、社員に愛用される効果的な社内ポータルをご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

インスパイアデザイン編集部