
BtoBの導入事例ページは、見込み客の不安をほどき、信頼と問い合わせの両方を後押しする“要”のコンテンツです。とはいえ、事例をただ並べるだけでは効果は伸びません。
この記事では、実際に成果につながる導入事例ページの構成の考え方から、UI/UXの設計ポイント、見せ方の工夫、さらに参考にしたいデザイン例まで、現場で役立つ要点を整理して紹介していきます。
導入事例ページがBtoBサイトで重要な理由
BtoBの導入事例ページは、もはや「参考資料」ではなく、戦略的な営業ツールです。特にBtoBビジネスでは、意思決定までの期間が6か月から最長2年と長く、その間、担当者はリスクを慎重に評価し、上司や関係部署への説明責任を果たさなければなりません。
このとき大きな役割を果たすのが、「同じ課題を抱えた他社がどんな成果を出したのか」という具体的な証拠です。

株式会社アイコネクトが実施した調査(BtoB企業の担当者・経営層300名を対象、2025年4月実施)によると、約8割の企業が「導入事例は意思決定に影響する」と回答しています。

また、意思決定者と提案者の間では認識の差も見られ、「非常に影響する」と答えた割合は意思決定者で46.1%だったのに対し、提案者は23.3%にとどまる結果となりました。
さらに、導入事例において求められる情報としては、「同業種・同規模の事例」や「選定理由・導入プロセス」、そして「具体的な効果数値(コスト削減率など)」が重視されることがわかっています。
参考記事:
FNNプライムオンライン|BtoB企業の約8割が「導入事例は意思決定に影響」と回答

さらに、米国のBtoBマーケティング専門会社 Sagefrog Marketing Group の記事によると、BtoB購買担当者の約73%が「導入事例が購入判断に最も影響を与える」と回答しています(ZoomInfo調査より)。
Sagefrogの事例では、実績データや顧客の声を盛り込み、ストーリー性を持たせた導入事例を活用することで、リード転換率が57%向上したケースも報告されています。
参考記事:
Sagefrog Marketing Group|How to Build a B2B Case Study That Converts Prospects
導入事例ページはCTA(資料請求・問い合わせなど)との相性が非常に良いのも特徴です。事例を読んで「自社にも合いそうだ」と納得した見込み客は、次の行動を起こしやすい心理状態にあります。実際、事例ページに適切なCTAを配置することで、通常のサービス紹介ページと比べて2〜3倍のコンバージョン率を実現している企業も少なくありません。
成果が出る導入事例ページの作り方【5ステップ】
導入事例ページで成果を出すためには、場当たりではなく、きちんと筋道を立てた設計が必要です。ここでは、実際の成功事例から導き出した5つのステップを紹介します。
ステップ1:目的をはっきりさせる
まずは、「このページで何を達成したいのか」を明確に決めることが大切です。目的は大きく2つに分かれます。
- 新規リード獲得:業界や規模の異なる事例を幅広く掲載し、検索や絞り込み機能を充実させる。
- 既存顧客の不安解消:成果データや担当者のコメントをしっかり載せ、安心感を与える。
どちらも狙うより、まずは主目的を1つに絞る方が、ページ全体の構成がブレにくくなります。
ステップ2:情報設計を整える
導入事例ページでは、読む人が知りたい情報をわかりやすい順番で整理することが重要です。おすすめの構成は次の通りです。
- ひと目で内容がわかるタイトル
- 導入前の課題や背景
- 解決策(製品・サービスのポイントや導入方法)
- 導入後の効果(可能であれば数値データを含む)
- 担当者のコメント(現場のリアルな声)
- 導入プロセスの概要と期間

特に、ページ冒頭の3スクロール以内に「成果のサマリー」を入れると、忙しい読者もすぐに内容を把握でき、離脱を防ぐことができます。
ステップ3:UI/UXで“探しやすさ”をつくる
いくら内容が良くても、見つけづらければ読まれません。サムネイル画像やアイコンを使って内容を直感的に把握できるようにし、業種・規模・課題などのタグで横断的に回遊できる設計にすると効果的です。
また、一覧ページはカード型レイアウトにして主要タグをクイックフィルタとして常時表示すると、ユーザーが求める事例にすぐたどり着けます。
さらに、一覧に「読了までの目安時間」や「効果の一言要約」を添えると、クリック率の向上が期待できます。
ステップ4:検索・フィルタ機能を実務目線で設計する
BtoB企業の見込み客は、自社と近い条件の事例を探す傾向が強いため、検索や絞り込みの精度が重要です。
たとえば以下のような軸でフィルタリングできると便利です。
- 業種
- 従業員規模
- 年商レンジ
- 導入サービス・機能(例:チャットボット、システム連携など)
- 課題カテゴリ(例:問い合わせ削減、CV改善、運用効率化)
- 期間や予算帯(公開できる範囲で)

さらに、よく使われる検索条件はショートカットボタンとして表示すると、ユーザーの利便性が高まります。
ステップ5:CTAは流れを止めずに配置する
導入事例を読んで関心が高まったタイミングで、自然に次の行動につなげることが大切です。
個別事例ページの末尾に「この事例について相談する」や「類似事例をまとめて送ってほしい」などのリンクを設置すると、行動を促しやすくなります。
一覧ページのサイドバーや関連事例の下に、資料請求やPDFダウンロードなど低ハードルなCTAを置くのも効果的です。
また、CTA文言はできるだけ具体的にするとクリック率が高まります。たとえば、「3つの類似事例を48時間以内にお送りします」というように、行動イメージを明確に示すと良いでしょう。
この5つのステップを意識するだけで、導入事例ページは“ただ載せるだけ”から“成果を出す営業ツール”に変わります。
導入事例ページのUI/UX設計で意識すべき3つのポイント
導入事例ページのUI/UX設計では、ユーザー体験を高めながらコンバージョンにもつなげるための工夫が欠かせません。ここでは、成果に直結する3つの重要なポイントを紹介します。
1. 一覧性を高めて、効率的に情報を探せる設計にする
BtoBの意思決定者は、限られた時間の中で効率的に情報収集を行いたいと考えています。そこで重要になるのが、一覧ページで“ひと目で事例の概要を把握できること”です。
具体的には、企業ロゴ・業種・従業員規模・主要な成果といった情報を、視覚的に整理されたカード型レイアウトで表示すると効果的です。さらに、「導入効果:売上30%向上」「課題:業務効率化」といった重要な情報をタグで目立たせることで、ユーザーは自分に関連する事例をすばやく見つけられます。
2. 高性能な検索・絞り込み機能で“欲しい情報”にすぐたどり着ける
導入事例の数が増えるほど、ユーザーが求める情報を探すのは難しくなります。そこで重要なのが、複数条件で絞り込める検索機能です。
単純なキーワード検索だけでなく、以下のような軸で同時に条件設定できると、ユーザビリティが格段に向上します。
- 業種
- 従業員規模
- 課題カテゴリ
- 導入したサービス
- 効果の種類
例えば、「製造業 × 従業員500名以上 × コスト削減」といった複合条件で検索した場合でも、結果を瞬時に表示できる設計が理想です。さらに、該当件数の表示や関連度順・新着順での並べ替え機能を備えておくと、目的の事例にたどり着くスピードが大幅に向上します。
3. モバイル最適化で、利用機会を逃さない
近年はBtoB領域でもモバイルからのアクセスが増加しています。特に、通勤時間や移動中に情報収集を行う意思決定者も多いため、モバイル対応は導入事例ページの成果に直結します。
モバイル版では、次のような工夫が必要です。
- タップしやすいボタンサイズ
- 読みやすいフォントサイズ
- スクロールしやすい縦長レイアウト
- 軽量で高速な読み込み速度
また、検索・絞り込み機能もモバイルに最適化し、片手操作でもスムーズに使えるインターフェースを用意すると、利用機会をさらに広げられます。
この3つを意識することで、導入事例ページは「情報を並べるだけのページ」から「見込み客が自ら動きたくなるページ」に進化します。
導入事例ページのデザイン参考【成功事例まとめ】
実際の成功事例を取り入れることで、ページ構成やレイアウトのヒントを得られます。以下では、業界をリードする企業の導入事例ページ設計を紹介しつつ、活用しやすいリンクも掲載しています。
SaaS企業のリード獲得型デザイン:Salesforce
Salesforceの導入事例ページは、新規リード創出に優れた設計例です。一覧では企業規模と業種が一目で分かるようタグ表示が大きく、成果も「売上○%向上」「効率○%改善」といった数字が目立つ位置に配置されています。さらに、各事例には「Talk to an expert」など具体的なCTAが設置されており、自然に問い合わせへ誘導される設計です。全体のカラーリングはブランド基調で統一しながら、CTAにはアクセントカラーを用いて視線誘導が工夫されています。
参照ページ:セールスフォース・ジャパン お客様事例
製造業向けの信頼性重視デザイン:三菱電機 FA
三菱電機FAの導入事例ページでは、製造業特有の慎重な購買判断に対応する工夫がなされています。技術仕様や導入プロセスの詳細を丁寧に記載し、担当者写真付きコメントで信頼性の訴求も強力です。業種別・用途別に事例を分類しており、自社に近い条件の事例が見つけやすい構造です。デザインは装飾を抑え、読みやすさを最優先にしたクリーンなレイアウトが印象的です。
参照ページ:導入事例 | 三菱電機FA
コンサルティング企業の専門性アピール型:アクセンチュア
アクセンチュアは、自社の専門性と実績をアピールする導入事例ページ設計を行っています。業界トレンドに合わせた事例分類があり、課題の分析や解決アプローチ、具体的な成果指標やROIが詳細に提示されている点が特徴です。視覚的にはインフォグラフィックスやデータ可視化を豊富に使用し、複雑な内容をわかりやすく伝える工夫が施されています。
参照ページ:事例 | アクセンチュア
IT企業の技術力重視デザイン:日本オラクル(Oracle Japan)
日本オラクルの導入事例ページは、技術的な裏付けを重視する企業に適した設計です。システム構成図、パフォーマンス改善データ、セキュリティ対策など、技術者が求める具体的な情報が豊富に掲載されています。また、導入前後の比較データを視覚的に提示することで、技術的効果を直感的に理解してもらえる構成です。検索機能も充実しており、技術要件や業界標準規格による絞り込みが可能です。
参照ページ:オラクルのお客様事例
共通点と活用のヒント
これらの成功事例に共通しているのは、ターゲットユーザーのニーズと行動パターンに合わせた情報設計とデザインがしっかりしていることです。自社の業種やターゲット層に応じて、以下のような要素を組み合わせてみましょう。
- クリックしやすさを意識したカード型一覧
- インパクトある成果数値の表示
- 専門性や信頼性を強める導入プロセスの記述
- CTAボタンの目立たせ方(カラー設計や配置)
- 技術要素の可視化(図解、チャートなど)
AIを活用した導入事例ページの効率的な設計方法
近年、AI技術の進化により、導入事例ページの設計や制作は大幅に効率化できるようになりました。限られたリソースしかない中小企業でも、AIを上手に活用すれば、大企業に劣らない高品質な事例ページを短期間で構築できます。ここでは、私が実際の現場で、導入事例のページを設計する具体的なAI活用方法とフローを紹介します。
1. ChatGPTとClaudeを活用したワイヤーフレーム作成
導入事例ページで最も時間がかかる工程の一つがワイヤーフレームの設計です。そしてこのワイヤーフレームを設計する際に活用するAIツールが、ChatGPTとClaudeです。
それぞれの使い方ですが、私の場合、ChatGPTで構成を生成し、Claudeでビジュアル化させていきます。
下記はChatGPTを用いて、架空の企業を設定しました。
想定シナリオ(架空設定・改訂版)
導入企業:
株式会社サンプル企業(BtoB製造/従業員520名/埼玉)
課題:
見積回答の属人化、問い合わせ対応の遅延(平均48h)、受注率の低下
導入製品・サービス:
INSPIRE DESIGN「AI Chatbot for B2B」(自社サイト向けAIチャットボット+ナレッジ連携)
導入期間:
2025年2月〜4月(10週間)
成果(KPI):
一次回答までの時間 48h→5分、商談化率 +32%、月次問い合わせ対応工数 −58%、見積リードタイム −35%
その上で、「導入事例の一覧ページのUI/UXの設計をお願いしますと」アバウトに指示を与えてみると、下記のような内容を生成してくれました。
一覧ページ(/cases/)
目的
・業種・課題・規模で“自分ごと化”できる事例を最短発見
・迷ったユーザーには近い条件を提案し、離脱を防止
情報設計(上からの並び)
ヒーロー(見出し+実績数)
見出し:導入事例
サブ:現在 184件の事例から自社に近い事例を探せます
右側:主CTA「無料相談」副CTA「近い事例を自動提案(3問)」
クイックフィルタ(主要3項目は常時表示)
業種|課題|会社規模(各Pillボタン)
選択時に即反映、URLにクエリ付与
詳細フィルタ(ドロワー or モーダル)
業種(製造/IT/小売/金融/物流/教育/公共…)
課題(問い合わせ対応/見積回答/FAQ運用/営業効率化/採用対応)
目的(CV増加/工数削減/リード獲得/CS向上)
導入製品(AI UPs Chatbot/WP UPs CMS…)
規模(〜49/50–299/300–999/1000+)
地域、導入期間(From/To)
操作:条件を保存(ローカル保存)、条件をクリア
件数・並び替え
「該当 36件」/並び替え:関連度|最新|成果インパクト
カードグリッド(3列/タブレット2列/モバイル1列)
サムネ(4:3/1200×900推奨)
企業名(匿名時は「某大手製造業(300–999名)」)
業種・課題のタグ(最大4つ、残りは +N)
成果ハイライト:一次応答 48h→5分/工数 −58% など1–2点
下段:導入製品アイコン、導入期間
カード全体クリックで詳細/右上ブックマーク(ローカル保存)
ページ末尾のガイドCTA
「自社に合う事例を3分で自動提案」→ミニ質問(業種/課題/規模)
コンポーネント仕様(抜粋)
・タグPill:高さ28px、角丸16px、左右8–12px、1行折返しなし
・カード:min-height 320px、ホバーで微スケール+影(A11y配慮でフォーカスリング)
・ツールチップ:成果数値の定義(例:SLA、一次応答の定義)
状態設計
ローディング:スケルトンカード(3×2)
0件時:
見出し「条件に一致する事例が見つかりません」
提案:条件を1つ緩める(チェックボックス)+業種だけで再検索ボタン
エラー時:
「読み込みに失敗しました。再試行」+ライトなリトライ
空タグクリック時:該当0件が続く場合、人気条件をサジェスト
インタラクション & A11y
・フィルタ変更で即時反映+URL同期(戻る/進むで状態保持)
・キーボード操作可:Tab移動、Enterで適用、Escでドロワー閉じ
・コントラスト比 4.5:1 以上、フォーカスインジケータ明確
コピー(例)
・クイックフィルタ見出し:条件で絞り込む
・並び替え:成果が大きい順
・カードボタン:詳しく見る
そして生成された内容をClaudeでペーストして、下記のような指示を与えます。

するとClaudeがコードを生成してくれて、下記のようなワイヤーフレームを一瞬で生成してくれます。

2. Figmaにて手動でレイアウト調整
Claudeで生成されたワイヤーフレームはコードになっているため、Claude上でチャットを繰り返し理想のレイアウトにしていくという方法も取れますが、私的にはすごく面倒で時間がかかる作業に感じているので、Figmaを使って手動でレイアウトを調整するという方法を取っています。
ご察しの通り、この方法を行うにはFigmaの基本的な操作が行える必要があります。Figmaの使い方を覚える学習コストはかかりますが、非デザイナーのディレクターやマーケティング担当者、営業担当者、経営者に至るまで、様々なクリエイティブが作成できる非常に便利なツールですので、覚えておいて損はないと思います。
コードからデザインに
さて、Figma上で編集を行うには、Claudeで生成されたコードをデザインに変換する必要がありますが、Figmaではそれを実現できる便利なプラグインがありますので、そのプラグインを使ってコードからデザインに変換していきます。
具体的には、「html.to.design」というプラグインを利用します。(月に10件程度?は無料で使えます。)

検索でプラグインを探し、立ち上げます。そして、下記の「Editor」を選び、Claudeでコピーしたコードをペーストし、Createボタンを押します。

すると、Figma上で自由に調整することが可能となりますので、全くのゼロからワイヤーフレームを作成するよりも、かなりの時短になります。

3. AIによるタグ・カテゴリの自動分類
Figmaで編集できる状態になりましたら、細かなUI/UXを設計していきます。この時に、ChatGPTに戻り、条件に合わせた指示を与え、仕様を詰める作業のヒントをもらいながら作業を進めていきます。
特に導入事例が多い場合、管理や検索性が課題になりますので、事例から 業種・課題・解決策・効果指標などを自動で抽出し、適切なタグやカテゴリを提案してくれます。
これにより、担当者が時間を使い、頭で考える等の負担を減らすだけでなく、分類の不整合や抜け漏れも防げます。
さらに、運用後には、ユーザーの検索行動をAIが学習することで、よく使われるタグや人気のカテゴリを自動で提案することも可能ですので、ユーザーにとっても探しやすい構造になり、SEO効果の向上にもつながります。
4. 自然言語処理を活用した事例コンテンツの品質向上
AIの自然言語処理技術(NLP)を使えば、導入事例の内容そのものを客観的に分析・改善できます。
たとえば以下のような観点で自動評価が可能です。
- 読みやすさや文章構造のバランス
- 専門用語の適切さ
- 論理展開のわかりやすさ
- 感情に訴える力(エモーショナルな要素)
さらに、競合他社の事例と比較して不足している要素を洗い出し、強化すべきポイントを明確化することもできます。これにより、コンテンツの品質を継続的に高めつつ、競合との差別化を効率的に進められます。
AIを導入することで、導入事例ページの設計から制作、運用までを大幅に効率化できます。
特にワイヤーフレーム作成・タグ分類・コンテンツ品質改善の3つは、すぐに実践可能な領域です。限られたリソースで高品質なページを作るために、これらのAI活用をぜひ検討してみてください。
導入事例ページ構築でよくある失敗と対策
導入事例ページは、BtoBサイトでの信頼構築やリード獲得に大きな影響を与えるコンテンツです。
しかし、実際には多くの企業が同じような失敗に陥っています。
ここでは、よくある4つの失敗パターンと、その具体的な対策を解説します。
1. 事例数が多いのに、検索機能が不十分

成功している企業ほど事例数は豊富になりますが、それが逆に「探しづらさ」を招くことがあります。
たとえば、100件以上の事例があるにもかかわらず、カテゴリ分けが大まかすぎて、ユーザーが目的の事例を見つけるのに10分以上かかる…そんなサイトも少なくありません。
対策
- 業種、企業規模、課題、効果、地域、導入時期など、複数の軸で絞り込める検索機能を実装する
- キーワード検索と組み合わせ、欲しい情報に素早くたどり着けるようにする
- 「製造業 × コスト削減」「IT企業 × 業務効率化」など、人気の条件をショートカットボタンで設置して利便性を高める
特にBtoBでは「自社と近い条件の事例を探す」動きが強いため、フィルタリング精度がコンバージョンに直結します。
2. 事例内容が表面的で、説得力に欠ける

よくある失敗が、事例の内容が薄くて「導入してよかった」「効果が出ました」だけで終わってしまうケースです。
これでは、購入検討者が知りたい具体的な情報が得られず、問い合わせにつながりにくくなります。
対策
事例記事には、購入検討者が本当に知りたい「リアルな情報」を盛り込みましょう。
例えば
- 導入前の課題と背景
- 選定プロセスで比較検討したポイント
- 導入時の工夫や苦労した点
- 具体的な成果データ(売上〇%増、工数△%削減など)
- 担当者の率直なコメントと今後の展望
特に、「なぜ他社ではなく自社を選んだのか」「導入時に感じた不安」「使ってみて意外だったこと」など、ユーザー目線での“生の声”があると説得力が一気に増します。
3. CTAが設置されていない、または効果的でない
導入事例を読んで「いいな」と思ったユーザーを、次のアクションにつなげられていないケースも多く見られます。
ありがちな失敗は、CTA自体がないか、あっても「お問い合わせはこちら」といった汎用的な表現だけで終わってしまうことです。
対策
- 事例の内容と連動した具体的な行動提案を入れる
- 例:「この事例のような課題でお悩みの方は、無料相談をご利用ください」
- 例:「類似規模での導入実績をもっと知りたい方は、事例集をダウンロード」
- CTAは1か所だけでなく、複数のタイミングで自然に配置する
- 事例本文の途中
- 記事末尾
- 関連事例の下
- サイドバーや固定バナー

パーソナライズされたCTAを適切に配置することで、コンバージョン率は大きく変わります。
4. レスポンシブデザインが不十分

BtoBサイトでも、モバイルからのアクセスは増え続けています。
しかし、PCデザインをそのまま縮小しただけでは、スマホでのユーザー体験は大きく損なわれます。
「文字が小さすぎて読みにくい」「検索機能が使いづらい」「CTAボタンが押しにくい」などの問題はよくある例です。
対策
- モバイル前提でコンテンツの優先順位を整理し、重要情報を上に配置する
- 検索・絞り込み機能はモバイル専用UIとして設計する
- ボタンやフォームは片手で操作しやすいサイズを確保
- ページ読み込み速度を最適化し、3秒以内の表示を目指す
特に導入事例ページは移動中の検索需要が高いため、モバイルでの快適な体験が成果に直結します。
導入事例ページは、BtoBの営業活動を大きく後押しする重要コンテンツです。
しかし、検索性の低さ・内容の薄さ・CTA不足・モバイル最適化不足といった“よくある失敗”を避けないと、せっかくの事例が活かせません。
「情報を探しやすい」「内容に説得力がある」「行動につながる」「スマホでも快適」
この4点を意識すれば、導入事例ページは単なる紹介ページから、高い成果を生む営業ツールに変わります。
まとめ|導入事例ページの作り方で迷ったらプロに相談
導入事例ページは、BtoBサイトにおける最も重要な営業資産のひとつです。
適切に設計された事例ページは、新規リードの獲得、既存顧客との信頼関係の強化、そして競合との差別化を同時に実現できる、非常に強力なマーケティングツールになります。
成果を出すためには、まず明確な目的設定から始め、ユーザー視点での情報設計、使いやすいUI/UX、そして効果的なCTA配置まで、すべての要素を戦略的に組み合わせることが大切です。さらに、最近ではAIツールを活用することで、限られたリソースでも大企業レベルの高品質な事例ページを効率的に構築できるようになっています。
また、よくある失敗パターンを避けながら、データをもとに継続的な改善を行うことで、導入事例ページは単なる「情報コンテンツ」から、企業成長を支える営業資産へと進化します。
もし「どこから手を付ければいいか分からない」「自社だけで進めるのは不安」という場合は、専門知識を持つプロに相談するのもひとつの方法です。経験豊富なパートナーと一緒に進めることで、最短ルートで成果につながるページを構築できます。
導入事例ページの構築をご検討中の方へ
フィルタリング・検索機能付きの高品質な導入事例ページ設計から、UI/UX最適化、コンバージョン率向上まで、私たちインスパイアデザインが包括的にサポートいたします。
お客様の業界特性と目標に合わせた最適なソリューションをご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。