
「社内ポータルを作りたいが、費用がどれくらいかかるのか分からない…」
このような悩みを抱える担当者の方は多いのではないでしょうか。社内ポータルの制作費用は、規模・機能・構築方法によって50万円から数千万円まで大きく変動します。
本記事では、従業員数500名以上の企業における最新の費用相場データをもとに、見積もり時に押さえておくべきポイントを詳しく解説します。適切な予算計画を立てる参考にしてください。
社内ポータル制作の費用が変動する3つの要因
① 規模(ページ数・ユーザー数・運用体制)
社内ポータルの費用は、まず企業規模によって大きく変わります。
- 同時接続ユーザー数:50~100名対応か、1,000名以上対応かで必要なサーバー性能が変わる
- ストレージ容量:10GB程度の基本容量から、1TB以上の大容量まで
- 運用体制:社内運用か、24時間サポート体制かで継続費用が変動
② 機能の有無(検索・ファイル共有・権限管理など)
実装する機能によって開発工数が大幅に変わります。
基本機能
- 掲示板・お知らせ機能
- ファイル共有
- 簡易検索機能
応用機能
- 全文検索・タグ検索
- ワークフロー機能
- 外部システム連携
高度な機能
- AI搭載検索・推奨システム
- 高度なワークフロー自動化
- リアルタイム分析・ダッシュボード
③ 開発方法(パッケージ・クラウド・WordPressなど)
構築手法によって費用対効果が大きく変わります。
スクラッチ開発
- 費用:600万円~2,000万円
- 期間:3ヶ月~1年超
- メリット:完全オリジナル設計、機能の自由度
- デメリット:高額、長期開発期間
CMS活用開発
- 費用:150万円~500万円
- 期間:1~3ヶ月
- メリット:コスト効率、短期間での構築
- デメリット:カスタマイズ制限
社内ポータル制作の費用相場(規模別)
規模 | 想定例 | 費用目安 | 納期目安 | 主な機能 |
---|---|---|---|---|
小規模 | 社員数~500名 基本機能のみ | 200万円 | 1~2ヶ月 | 掲示板、ファイル共有(10GB)、簡易検索、基本認証 |
中規模 | 社員数500~1,200名 実用的機能 | 300万円 | 2~4ヶ月 | ワークフロー、カレンダー、タスク管理、部門別権限(50GB) |
大規模 | 社員数1,200~2,000名 高度機能 | 500万円 | 4~6ヶ月 | Wiki、文書管理、全文検索、外部連携、多言語対応(200GB) |
エンタープライズ | 社員数2,000名以上 最高レベル | 1,000万円~ | 6ヶ月以上 | AI搭載機能、高度自動化、グローバル対応、冗長化(1TB~) |
※あくまで目安。機能要件や開発方法により変動します。
機能別の費用感
全文検索・タグ検索機能
カスタム開発:800万円~2,400万円
- 開発時間:200~500時間
- 日本語特有の文字正規化対応でコスト20-30%増
SaaS活用:375~7,500円/ユーザー/月
- WordPress Enterprise:年間15万円~45万円
- Microsoft Search:5~10ドル/ユーザー/月
ランキング・リアクション機能
基本リアクションシステム:300万円~900万円
- いいね・コメント機能
- アクティビティフィード
AI搭載高度ランキング:1,500万円~3,000万円
- パーソナライゼーション機能
- ML搭載推奨システム
外部システム連携機能
簡単なAPI連携:300万円~1,200万円/システム
- 既存システムとの基本連携
複雑なエンタープライズ統合:1,500万円~7,500万円/システム
- SAP Japan統合:3,000万円~9,000万円
- Salesforce連携:1,500万円~4,500万円
ファイル共有・ダウンロード管理機能
基本ファイル管理:450万円~1,500万円
- アップロード・ダウンロード機能
- 基本的なアクセス権限
高度な文書管理システム:2,250万円~7,500万円
- バージョン管理:300万円~900万円
- 監査ログ:600万円~1,800万円
- 大容量ファイル処理:750万円~2,250万円
見積もりを依頼するときのポイント
要件をできるだけ具体化する
見積もりの精度を上げるため、以下を明確にしましょう。
利用者情報
- 従業員数・部署構成
- 同時アクセス想定数
- 利用デバイス(PC/スマートフォン)
機能要件
- 必須機能と希望機能を分ける
- 既存システムとの連携要件
- セキュリティ・権限管理レベル
参考サイトや既存ポータルの課題を共有する
現状の課題を具体的に伝えることで、より適切な提案を受けられます。
- 「ファイルを探すのに時間がかかる」
- 「部署間の情報共有が不足している」
- 「スマートフォンから使いにくい」
費用に含まれる範囲を確認する
見積もり内容に以下が含まれているか確認しましょう。
初期費用
- 要件定義・設計費用
- システム開発費用
- テスト・検証費用
- データ移行費用
継続費用
- サーバー・ホスティング費用
- 保守・サポート費用
- セキュリティ対策費用
- システムアップデート費用
保守・サポート費用も見積もりに含めてもらう
月額運用費用の相場
- 500-1,000名企業:月額20万円~50万円
- 1,000-3,000名企業:月額50万円~150万円
- 3,000名以上企業:月額150万円~500万円
一般的にシステム開発費用の10-20%が年間保守費用の目安となります。
スケジュールと納品後の対応可否を確認する
確認項目
- 納期スケジュールの妥当性
- 段階的リリースの可否
- 納品後のサポート体制
- 機能追加・変更時の対応方針
費用を抑えるコツ
必須機能と追加機能を分けて発注
段階的実装により初期投資を最小化できます。
- フェーズ1:基本機能(掲示板・ファイル共有)
- フェーズ2:応用機能(検索・ワークフロー)
- フェーズ3:高度機能(AI・分析)
既存テンプレートやプラグインを活用
CMS基盤開発を選択することで、スクラッチ開発比で30-50%のコスト削減が可能です。
ノーコード開発の活用では、最大80%のコスト削減を実現できる場合があります。
段階的リリースで初期費用を分散
月額制開発を利用することで、初期投資負担を分散できます。
クラウドファースト戦略により、インフラコストを30-50%削減可能です。
運用ルールを整理してから依頼
事前準備により開発効率が向上し、コスト削減につながります。
- 権限管理ルールの策定
- ファイル命名規則の統一
- 運用フローの整理
大規模企業特有の追加コスト
セキュリティ要件対応(700万円~1,200万円)
APPI(個人情報保護法)コンプライアンス:300万円~600万円 プライバシーマーク認証プロセス:100万円~200万円 継続的セキュリティ監視:年間50万円~100万円
Active Directory連携(800万円~1,700万円)
ADインフラ構築:400万円~800万円 SSO統合・テスト:200万円~400万円 多要素認証設定:100万円~200万円
継続コスト:ライセンス(300~500円/ユーザー/月)
負荷分散・冗長化対応(800万円~1,600万円)
99.99%稼働率SLA対応 マルチリージョン構築:500万円~1,000万円 継続コスト:月額20万円~80万円
IT導入補助金の活用
IT導入補助金を活用することで、費用の約3分の2を軽減できる場合があります。
対象となる可能性がある項目
- 社内ポータルシステムの導入
- 業務効率化を目的とした機能
- クラウド利用料(一定期間)
詳細は最新の公募要項を確認し、補助金に詳しい制作会社に相談することをおすすめします。
まとめ
社内ポータル制作費用は規模・機能・開発方法によって大きく変動します。
費用相場のポイント
- 小規模(~500名):200万円程度
- 中規模(500~1,200名):300万円程度
- 大規模(1,200~2,000名):500万円程度
- エンタープライズ(2,000名以上):1,000万円以上
成功のための重要要素
- 要件定義の徹底
- 段階的導入の検討
- ユーザー体験重視の設計
- 適切な運用体制の構築
- セキュリティ設計の早期検討
見積もりは複数社比較と要件明確化が重要です。CMS活用開発を選択することで初期費用を抑えつつ、将来的な機能追加にも柔軟に対応できます。
適切な投資計画により、社内ポータルは企業の生産性向上と競争力強化に大きく貢献するでしょう。
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