その社内ポータル、使われてますか?リニューアルで失敗しないための5つのポイント

その社内ポータル、使われてますか?リニューアルで失敗しないための5つのポイント

「せっかく作った社内ポータルが全然使われていない…」そんな悩みを抱えている企業は決して少なくありません。多くの時間とコストをかけて構築したはずの社内ポータルが、いつの間にか「誰も見ない情報の墓場」と化していませんか?

実は、社内ポータルが使われなくなる原因の多くは、UI/UXの問題と運用性の欠如にあります。本記事では、使われない社内ポータルの特徴を明らかにし、リニューアルで成功するための5つのポイントをご紹介します。

よくある「使われない社内ポータル」の特徴

社内ポータルが形骸化してしまう企業には、共通した問題があります。あなたの会社の社内ポータルにも、以下のような課題が当てはまるのではないでしょうか。

「使われない社内ポータル」の特徴

更新が面倒・誰も投稿しない

最も多い問題が「更新の複雑さ」です。情報を投稿するために複雑な手順を踏む必要があったり、専門的な知識が必要だったりすると、忙しい社員は次第に投稿を避けるようになります。

特に以下のような状況は要注意です。

  • 投稿にHTMLの知識が必要
  • 承認フローが複雑で時間がかかる
  • ファイルアップロードの制限が厳しい
  • スマートフォンから投稿できない

結果として、ポータル全体の情報が古くなり、さらに誰も見なくなるという悪循環に陥ってしまいます。

情報が整理されておらず検索しにくい

社内ポータルに求められる最も重要な機能の一つが「必要な情報への素早いアクセス」です。しかし、多くの社内ポータルでは以下のような問題が発生しています。

  • TOPページのファーストビューがごちゃごちゃしていて、見るべき場所が分からない
  • カテゴリ分類が曖昧で、どこに何があるかわからない
  • 検索機能が貧弱で、目的の情報が見つからない
  • タグ機能がない、または活用されていない
  • 関連情報同士の繋がりが見えない

これらの問題により、社員は「探すより聞いた方が早い」と考え、結果として非効率な情報共有が続いてしまいます。

見た目が古くスマホ対応していない

現代の働き方では、スマートフォンやタブレットでの情報アクセスが当たり前になっています。しかし、古い社内ポータルの多くは

  • レスポンシブデザインに対応していない
  • 文字が小さく、タップしにくい
  • ページの読み込みが遅い
  • 見た目が古く、使いたくない印象を与える

特にリモートワークが増えた現在、モバイルデバイスでの利用を考慮しない社内ポータルは、確実に使われなくなってしまいます。

アクセス数や利用状況が把握できない

運用改善のためには、現状の把握が欠かせません。しかし、多くの社内ポータルでは

  • どのページがよく見られているかわからない
  • 誰がどんな情報を求めているかわからない
  • 投稿の効果や反応が見えない
  • 利用者の行動パターンが把握できない

これらの情報がないと、改善すべきポイントが見えず、いつまでも問題が解決されません。

リニューアル時に押さえるべき5つのポイント

社内ポータルのリニューアルを成功させるためには、以下の5つのポイントを重視することが重要です。

社内ポータルリニューアル時に押さえるべき5つのポイント

1. 誰でも簡単に投稿・更新できる仕組み

社内ポータルが活発に使われるための最重要ポイントは「投稿の簡単さ」です。投稿が簡単であれば、複数の部署、専門知識のない方でも更新することができます。

理想的な投稿システムには以下の特徴があります。

直感的なエディター

  • ワープロソフトのような使いやすいビジュアルエディター
  • ドラッグ&ドロップでファイル添付
  • リアルタイムプレビュー機能

シンプルな承認フロー

  • 必要最小限の承認ステップ
  • 自動承認できるカテゴリの設定
  • 承認者への自動通知機能

モバイル対応

  • スマートフォンからの投稿・編集
  • 外出先での緊急情報発信
  • 音声入力や画像投稿の活用

この仕組みが整えば、情報の鮮度が保たれ、社内の情報共有が格段に活発になります。

2. 見たい情報にすぐ辿り着ける設計

情報へのアクセシビリティを向上させるためには、以下の要素を組み合わせた設計が効果的です。

明確なカテゴリ分類

  • 社員が直感的に理解できる分類方法
  • 部署別・業務別・緊急度別などの複数軸での整理
  • 階層が深くなりすぎない構造

高機能な検索システム

  • 全文検索機能
  • ファイル内容も含めた検索
  • フィルタリング機能(日付、部署、タグなど)

タグとラベル機能

  • 投稿者が自由に設定できるタグ
  • 重要度や期限を示すラベル
  • 関連記事の自動表示

これらの機能により、社員は必要な情報を迷わず素早く見つけることができるようになります。

3. スマートフォン対応とシンプルなUI

現代的な社内ポータルには、以下のようなUI/UX設計が必要です。

レスポンシブデザイン

  • あらゆるデバイスサイズに対応
  • タッチ操作に最適化されたボタンサイズ
  • 縦向き・横向き両方での快適な操作

シンプルで分かりやすいデザイン

  • 過度な装飾を避けた機能的なデザイン
  • 一目で理解できるアイコンと表示
  • 統一されたデザインルール

高速表示

  • 画像の最適化
  • キャッシュ機能の活用
  • 不要な機能の削除

使いやすいUIは、社員のストレス軽減と利用率向上に直結します。

4. 閲覧数やリアクションを可視化

社内ポータルの活用を促進するためには、以下のような「見える化」が効果的です。

人気コンテンツの表示

  • 週間・月間の人気記事ランキング
  • 新着記事の一覧
  • 注目度の高い情報のピックアップ

インタラクション機能

  • 「いいね」「参考になった」などの簡単なリアクション機能
  • コメント・質問機能
  • 投稿者と閲覧者のコミュニケーション

利用統計の表示

  • リアルタイムの閲覧者数
  • 部署別・カテゴリ別の利用状況
  • 投稿者向けのアクセス解析

これらの機能により、投稿へのモチベーション向上と、より良いコンテンツ作成への意欲を引き出すことができます。

5. 運用担当の負荷を下げる自動化機能

持続可能な社内ポータル運営のためには、運用担当者の負担軽減が不可欠です。

自動化できる業務

  • 定期的な情報の更新通知
  • 古い情報のアーカイブ
  • 人気記事の自動ピックアップ
  • 新規投稿の部署内共有

効率的な管理機能

  • 一括編集・一括削除機能
  • 投稿権限の柔軟な設定
  • バックアップの自動取得
  • セキュリティ更新の自動化

レポート機能

  • 利用状況の自動レポート生成
  • 改善提案の自動抽出
  • ROI測定のためのデータ収集

これらの自動化により、運用担当者はより戦略的な改善活動に注力できるようになります。

WordPressで実現する社内ポータルの再構築

社内ポータルのリニューアルにおいて、WordPressは非常に有効なソリューションです。

なぜWordPressが社内ポータルに向いているのか

なぜWordPressが社内ポータルに向いているのか

柔軟なカスタマイズ性 :WordPressは、カスタム投稿タイプや独自フィールドの設定により、社内ポータルに必要な機能を自由に実装できます。部署別の投稿管理や、文書種別ごとの入力フォーム作成なども簡単に行えます。

優秀な権限管理機能 :WordPressの権限システムを活用することで、部署ごと・役職ごとに細かな閲覧・編集権限を設定できます。機密情報の管理や、承認フローの実装も可能です。

高い検索性能 :標準の検索機能に加え、仕様に合わせたフィルタリング機能を開発することが可能です。これにより、膨大な情報の中から目的のコンテンツを素早く見つけることができます。

豊富なプラグイン :社内ポータルに必要な機能の多くが、プラグインとして提供されています。

  • ファイル管理プラグイン
  • フォーラム・掲示板機能
  • カレンダー・スケジュール管理
  • アナリティクス・レポート機能

カスタマイズ例(実際の改善事例)

ある企業では、某CMSで構築されていた社内ポータルをWordPressベースの動的なシステムに刷新しました。

Before(改善前)

  • 月の投稿数:平均5件
  • 1記事あたりの平均閲覧数:15回
  • 検索利用率:10%
  • モバイルアクセス:5%

After(改善後)

  • 月の投稿数:平均35件(7倍増)
  • 1記事あたりの平均閲覧数:120回(8倍増)
  • 検索利用率:60%(6倍増)
  • モバイルアクセス:45%(9倍増)

この改善では、特に以下の機能が効果を発揮しました。

投稿の簡素化

  • ビジュアルエディターの導入
  • テンプレート機能による定型文書の作成支援
  • スマートフォンからの投稿機能

情報の見つけやすさ改善

  • 高度な検索機能の実装
  • 関連記事の自動表示
  • タグクラウドによるトピック一覧

コミュニケーション活性化

  • コメント機能による双方向コミュニケーション
  • 「いいね」機能による簡単なフィードバック
  • 人気記事ランキングの表示

これらの改善により、社内の情報共有が劇的に活発になり、業務効率の向上にも繋がっています。

まとめ:リニューアルは「使いやすさ」がすべて

社内ポータルのリニューアルを成功させるためには、見た目の美しさよりも「使いやすさ」を最優先に考えることが重要です。

成功のカギは運用しやすい設計 どれだけ高機能なシステムを構築しても、日々の運用が困難では長続きしません。投稿する人、管理する人、利用する人、すべての立場の人にとって使いやすいシステム設計を心がけましょう。

誰が見ても・使っても迷わないポータルを目指す 社内ポータルは、ITリテラシーの高い人だけが使うものではありません。年齢や経験に関係なく、誰もが直感的に使えるインターフェースを実現することが、真の成功に繋がります。

情報資産を”生きた情報”として活用する 社内に蓄積された知識やノウハウは、企業の貴重な資産です。それらを埋もれさせることなく、日々の業務で活用できる「生きた情報」として機能させるためには、適切なリニューアルが近道となります。

社内ポータルは、単なる情報掲示板ではありません。組織の知識を集約し、業務効率を向上させ、社員同士のコミュニケーションを促進する、重要な経営ツールです。

現在の社内ポータルに課題を感じている方は、ぜひ本記事で紹介したポイントを参考に、リニューアルを検討してみてください。適切な設計と実装により、社内の情報共有は劇的に改善され、組織全体の生産性向上に大きく貢献するはずです。


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この記事を書いた人

インスパイアデザイン編集部