企業サイトをWordPressで構築する8つのメリットと6つのデメリット

サイト WordPress メリット

相談者 Aさん

企業サイトをWordPressで構築しようと検討しているのですが、どのようなメリットがあるのでしょうか?

また同時にデメリットなどがあれば教えてください。

この記事を書く人と信憑性

浅賀理生

2014年よりWordPressに専門特化したサービスを提供し、累計600サイト以上をWordPressにて構築してきました。

年間の相談件数はリピートのお客様、新規のお客様を合わせて600〜700件以上はいただいております。

そのような立場ですが、中立な立場でWordPressのメリット・デメリットを解説していきます。

WordPress 8つのメリット

今回の例では「WordPressで企業サイトを作成するメリットは?デメリットは?」というご質問ですが、企業サイトに限らず、サービスサイトやブログサイト、会員制サイトなど少し複雑な機能を持たせるようなサイトであってもWordPressでサイトを構築するメリットは企業サイト同様にあります。

WordPress 8つのメリット

  1. 誰でも直感的に使える
  2. 無料で利用できる
  3. SEOに強い
  4. 誰でもかんたんに機能を拡張できる
  5. カスタマイズ性に優れている
  6. 更新性に優れている
  7. 最強のブログ機能
  8. 素人でも一定レベルのデザインにすることができる

それでは順を追って解説していきますね

メリットの根幹にある要素は「世界シェアNo1.のプラットフォーム」

メリットを一つずつ解説していく前に、なぜそのメリットがあるのか?の根幹にあたる要素として、「世界シェアNo1.のプラットフォーム」だから

というものがあります。

WordPressのことをよくご存知ない方に向けて解説しますと、WordPressの利用率は、W3Techsによると今や世界1位のシェアを誇ります。(2020年09月現在では全世界のWebサイトの38.4%をWordPressが占めている)

W3Techs とは

調査サービスの名称で、Q-Successという会社が運営しています。

調査方法に関してはこちらのページに記載してあります。

この「世界シェアNo1.のプラットフォーム」の恩恵を受けて、ユーザーは様々なメリットが受けられていると言っても過言ではありません

①誰でも直感的に使える

世界で最も使われているシステムだけあって、全てのユーザーに対して、汎用的に使いやすく分かりやすい管理画面となっています。

管理画面ですので、はじめて目にした時のとっつきにくさは正直ありますが、使い始めてみると、数時間、人によっては数十分、数分程度でその直感的な使い勝手を実感することができるでしょう。

例えばサイトの担当者が20代の若者であれば、説明不要で今すぐサイトを更新させることができる!大袈裟ではなく本当にそんな感じの使いやすさを持っています。

管理画面をより使いやすくカスタマイズさせることも可能

制作会社のスキルレベルによっては、管理画面に表示される余計なメニュー項目を減らし、よりシンプルで使いやすい管理画面にカスタマイズさせることも可能です。

②無料で利用できる

web制作 相場 料金

WordPressは、オープンソースのソフトウェアのため、システム利用料などは必要ありません。

オープンソース (英: open source) とは、ソースコードを商用、非商用の目的を問わず利用、修正、頒布することを許し、それを利用する個人や団体の努力や利益を遮ることがないソフトウェア開発の手法。

ウィキペディア

独自のソフトウェア(今回であれば、サイトを更新できるシステム(CMS)の場合、通常であれば数万円〜数十万円のライセンス料がかかります。

しかしながら、WordPressはオープンソースであるため、ライセンス料などの費用が必要ありません。

しかもオープンソース開発には、世界中の優秀なエンジニアが開発に加わっており、ユーザーのニーズに合わせたバージョンアップが繰り返されているため、独自で開発しているようなシステムと比較して圧倒的に使いやすかったり、効率化されていたりしますので、WordPressを使わない手はないでしょう。

どこに費用がかかるの?

企業サイトを構築するなどの場合、WordPress自体は無料で利用できますが、構築を代行するのであれば、その代行にかかる費用を制作会社に支払う。またアップデートやバックアップなどの代行業務、その他の運用を代行するのであれば、制作会社などに支払う費用が別途発生します。

③SEOに強い

WordPressは構造上、SEOに強いと言われています。

こちらの記事は2009年のもので古い記事ではありますが、当時からWordPressがSEOに強いと、Google検索の責任者に認められていました。

SEOに強いサイトを構築するためのプラグインが豊富

WordPressはSEO関連のプラグインが豊富にあることが利用者にとって大きなメリットのひとつです。

通常のHTMLで構築されたWebサイトでは、コードを直接編集しなければ設定できない部分もプラグインで管理画面より設定できるなど、SEOの知識を学べば、素人でもかんたんSEO対策することができるのです。

かんたんに更新できることがSEO効果にもつながる

WordPressは更新性にすぐれたソフトウェアです。この後に詳しく解説していきますが、使いやすい管理画面、スピーディーなサイトの更新やコンテンツの追加、ネットに繋がっていればいつでもどこからでも更新することができるため、サイトの鮮度を上げることができます。

サイトの鮮度自体もGoogleからの評価になりますし、日々の見直し改善により、より良いコンテンツを生産していくことで、結果的にSEO効果も望めるというわけです。

④誰でもかんたんに機能を拡張できる

WordPressにはプラグインと呼ばれる拡張機能を誰でもかんたんにインストールすることができます。

先ほど解説したSEOを強化するための拡張機能であったり、めんどうな作業(例えば、サイト内の単語を全て置換してくれるなど)を自動化させてくれる機能であったり、ページを複製してくれる機能であったりと、とにかく「ないものはない」くらいのほど、かゆいところに手が届くプラグインが豊富にあります。

例えば、独自のシステムを利用している場合、こうした拡張機能はほとんど用意されていません。WordPressでは当たり前に自動化でき、かつ無料で利用できる機能でも、数十万円〜の開発費用が発生するのが一般的ですし、開発期間も要するため非常にコストパフォーマンスが悪くなってしまうでしょう。

プラグインの入れ過ぎは禁物

非常に便利なプラグインですが、プラグインの入れ過ぎは禁物です。なぜならWordPressの本体アップデートに対応せず、不具合を起こしてしまう可能性が高いからです。

手前味噌で恐縮ですが、私たちはプラグインをほとんど使わずにサイトを構築することを信条としています。プラグインを導入する際は、WordPressが公式に認めているプラグインなどをおすすめし、不具合発生リスクを極限まで下げる対策を行っております。

⑤カスタマイズ性に優れている

拡張機能(プラグイン)が豊富と解説しましたが、拡張機能では賄えない、独自機能の開発にも柔軟かつ開発コスト(工数)を抑えカスタマイズさせることができます。

もうこれは600サイト以上のサイトを構築してきて痛感していますが、本当にカスタマイズ性の良さは他にありません。

会員サイトや社内システム等の複雑なWebシステム開発であってもWordPressにて開発することが可能ですし、スクラッチ開発と呼ばれるゼロからシステムを開発する手法と比較しても最大で1/10の工数(コスト)で開発することもできます。

下記のページでは、どのようなシステム開発が実現させられるかを弊社のエンジニアが動画で解説しておりますので、ご興味あるかたは参考にしてみてください。

⑥更新性に優れている

WordPressは非常に使いやすい管理画面から誰でもかんたんにサイトコンテンツ(情報)を更新することが可能です。

これは自分でWebサイトを制作する場合でも、制作会社に制作を依頼した場合でも変わりません。

迅速な情報発信

企業サイトを制作会社に制作してもらうケースの場合、サイト設計の段階で、WordPressで更新できる箇所を定めていくと思いますが、社内で更新できるよう構築した場合、制作会社に依頼することなく迅速にサイトの情報を更新させることができます。

いつでもどこからでも更新できる

クラウド上のWordPressにアクセスすれば、いつでもどこからでもサイトを更新させることができます。

企業サイトなどの場合、ログインできる担当者を制限できますし、管理者、投稿者など権限を設定することも可能ですので、セキュリティの面での安心材料となります。

スマホからも更新できる

どのように構築するかにもよりますが、スマホから手軽にサイトを更新することもできます。

サイトと並行してブログを更新するような場合や、型にはめてしまった箇所などは、PCが苦手な担当者でもスマホから気軽に更新することもできます。

⑦最強のブログ機能

ブログ

昨今、WordPress昨今は企業サイト等一般的なサイトから会員制作や社内システム等の様々なサイトの開発プラットフォームとなっています。

しかし元々はブログシステムとして開発され普及していきましたので、特にブログ機能はめちゃくちゃ充実しており、かつ更新がしやすいです。

コンテンツマーケティングとして活用する

WordPressを使う一番のメリットとも言えるのが、コンテンツマーケティングに活用することです。

企業サイトとは別のメディアとして、WordPressにてオウンドメディアを立ち上げ、見込み客に役立つコンテンツを生産していきつつ、集客していく

また、ECサイトなどでは、コンテンツ作成機能が弱いため、そこを補うようWordPressを活用する企業も非常に多いです。ECサイトによってはWordPressと連携できるAPIを公開しているケースもあり、WordPressで構築したメディアにECサイトで登録した商品情報を自動で表示させることも可能です。(在庫等も連携させられます)

投稿と固定ページの使い分けについて

WordPressでは情報を更新する際に、【投稿】と【固定ページ】の2つがあります。

この違いについて、【投稿】は更新頻度の高いページ(新着情報やブログなど)、【固定ページ】は更新頻度の低いページ(会社案内や製品紹介など)という認識でOKです。

⑧素人でも一定レベルのデザインにすることができる

WordPressではテーマと呼ばれるサイトやブログのデザインテンプレートのようなものを誰でもかんたんに追加することができます。

誰でもかんたんに追加できますが、Webサイトの制作を自分で行うのか?制作会社に依頼するのかによって使用する・しないという選択に別れます。

Webサイトを自分で制作する場合
  • 別途テーマを購入することで安価にサイトを作ることが可能
  • テーマ購入で素人でも一定レベルのデザインにすることができる
制作会社に依頼する場合
  • 独自のテーマを制作することが多いため、ご自身でのテーマ追加・変更は行わない

ちなみにテーマは無料で配布されているものもありますが、ビジネスでWebサイトを作成するのであれば有料のテーマを購入することをおすすめします。料金は買い切りやサブスクリプションなど様々ありますが、買い切りでは1万円〜3万円程度、サブスクリプションでも年間1万円〜3万円程度です。

サブスクリプションの場合、頻繁なアップデートやサポートが充実してたりします。

WordPress 6つのデメリット

さて、WordPressに関して良いことばかりを書いてきましたが、利用者数が多い故のデメリットもあります。デメリットを理解した上で、対策法も理解しつつ、安心・安全にWordPressでの企業サイト制作を検討してみてください。

WordPress 6つのデメリット

  1. セキュリティ被害のリスクがある
  2. WordPressを導入する敷居の高さ
  3. ノーコードでサイトは作れるが、それなりの専門知識が必要
  4. サポートがない
  5. サイト(ウェブページ)の読み込み速度
  6. アップデートやバックアップ時のリスク

それでは順を追って解説していきますね。

①セキュリティ被害のリスクがある

WordPressは世界シェアNo1.のプラットフォームが故、「不正アクセス」によるセキュリティ被害のリスクというものがあります。

被害を受けてしまうと、サイトが正常に表示されなかったり、システムが動かなかったりと不具合が生じてしまいます。

正常な状態に戻すためには、私たちのような専門の業者に依頼し、ウイルスの除染作業を行ってもらわなければならず、余計なコストが発生してしまいます。

下記は私たちのクライアントが実際に受けた被害です。

  • サイト内にバックドア(不正アクセス用の入口)を無数に設置されてしまい、さらにフィッシングメールの一斉送信システムをサーバーに配置され、不正行為の踏み台として利用された
  • 導入した覚えのない「謎のプラグイン」が自動で導入され、Googleの検索結果からサイトに入った場合にだけ、ユーザーが他のフィッシングサイトなどへ自動でリダイレクトされてしまう仕組みを導入される(ブックマークや、直接のアクセスではリダイレクトされないため気付きにくい)
  • ランダムに投稿データの末尾にJavaScriptを埋め込まれ、その記事を閲覧したユーザーが他のフィッシングサイトに自動でリダイレクトされてしまう

こうしたセキュリティ被害、WordPress自体はすごくセキュリティの高いソフトウェアなのですが、実は管理者のうっかりミスが原因というものがほとんででして、その原因というのが推測されやすいパスワードを設定してしまっているというもの

ここについて弊社のエンジニアが実際の被害事例を紹介しつつ、その対策法を詳しく解説していますので、企業サイトを検討している方は事前知識として視聴していただけると良いかと思います。

WordPressセキュリティ被害事例と対策

制作会社を通さない場合のデメリット

一般的なデメリットとしては、セキュリティ被害が挙げられるのですが、ここからはあなた自身、もしくはサイトの構築を内製する場合のデメリットを解説していきます。

②WordPressを導入する敷居の高さ

WordPressはサーバーにインストールする必要があります。昨今ではレンタルサーバー各社がワンクリックでWordPressをインストールできる機能を設けておりますので、以前に比べて、素人でも格段に導入する敷居は下がりましたが、それでもドメインの取得からサーバーの契約、WordPressのインストールまでを行うには、意外と時間がかかりますし、トラブルが発生する可能性もあります。

③ノーコードでサイトは作れるが、それなりの専門知識が必要

WordPressをインストールすれば、すぐにでも記事の投稿やページ作成ができますが、カタチにするまでは随所で専門知識が必要になります。

全体のデザインはテーマで整えることができますが、ファーストビューの画像などは素人レベルで作成してしまうと、せっかく集客できた見込み客も離脱してしまうかもしれませんし、随所随所でHTMLやCSSの知識があると尚良くなるというシーンにも遭遇するでしょう。

④サポートがない

WordPressは無料で利用できますが、公式のサポートはありません。

有料でテーマを購入すれば、テーマの使い方に関するサポートは受けられるでしょうが、WordPress本体のサポートとは別です。

いま時代、クラウドソーシングサービスなどが充実してきていますので、困った時にだけ相談に乗ってくれる人を探すこともできますが、使い方に関するサポートは嫌煙される傾向にあるため、なかなかサポートしてくれる人が見つからないかもしれません。

⑤サイト(ウェブページ)の読み込み速度

WordPressは動的にページを生成するため、HTMLだけで作られた静的サイトと比較して、ページの読み込み速度が遅くなってしまいます。

また、画像をたくさん使用するようなサイトでは、よりページの読み込み速度が遅くなる傾向にありますし、プラグインをたくさん入れることでページの読み込み速度が遅くなることが多々あります。

こういった対策に強い制作会社に依頼すれば、遅くなった際にチューニング作業を行ってくれますが、内製でサイトを作り、ページの読み込みが遅くなってしまった時に相談&チューニングしてくれる所がないとちょっと厳しいかもです。

⑥アップデートやバックアップ時のリスク

WordPressは日々進化しており、日々アップデートされています。

定期的にアップデートの通知が管理画面に表示され、アップデート自体はボタンひとつで誰でもかんたんにアップデートさせることができます。

しかしながら、サイト制作を内製した場合、プラグインの入れすぎなどが原因で、アップデートしたことが原因でサイトが真っ白になってしまうなどの不具合が起きるケースがあったり、いままで使えていたプラグインが使えなくなってしまうなどの不具合が起きてしまうケースなどがあります。

また、バックアップの方法もGoogleで検索すればすぐに出てくるのですが、素人には正直難しいです。例え設定がうまくいっていたとしても、実際に復元するにはどうしたらいいんだろう・・?という不安もあるのです。

自分でサイトを制作する際の注意点

①パスワードを推測されにくい複雑なものにすること

②プラグインを入れすぎないこと

逆に制作会社に依頼する際も、制作会社の専門スキルが重要で、機能をプラグインですぐに解決させようとする制作会社は注意が必要です。

なぜなら本当のリスクを理解しておらず、その場しのぎの対策を行っているからで、こういった場合、後々取り返しのつかない自体になりかねないので、絶対に注意してください!

この記事を書いた人

浅賀理生(あさかまさお)

株式会社インスパイアデザイン代表。釣りとコーヒーをこよなく愛する家族LOVEな二児のパパ。WordPressを用いたWeb制作&開発のご相談はお気軽にどうぞ