WordPress 業務委託とは?企業が外注する際のポイントとサービス内容を簡単に解説

1. はじめに

WordPress 業務委託の必要性

会社のウェブサイトを自分たちで管理しようとしても、リソースや専門知識が足りないことがあります。また、担当者が突然辞めてしまったり、日々の運営に安心感が持てなかったりすることもあるでしょう。そういった場合、WordPressの業務を専門家に任せるのは有効な選択肢といえます。

WordPressは、世界中で多くのサイトに使われている便利なツールですが、効果的に活用するためには高度な知識やスキルが必要です。例えば、社内で運用しようとしても技術的な問題に対処できなかったり、他の業務が忙しくて十分に対応できなかったりします。さらに、セキュリティやサイトのパフォーマンスを維持することも大きな課題です。

こういった課題に対して、専門家に業務を委託することで、安心してサイトの運営を続けられたり、適切な提案やアドバイスを受けたりできるため、よりスムーズにWebサイトを管理できます。

2. WordPress 業務委託で依頼できること

WordPress業務委託では、幅広い作業を専門家にお願いできます。

サイト制作やリニューアル

新しいサイトを一から作りたい場合、デザインや構成の企画から開発、公開まで、すべてを専門家に任せることができます。また、既存のサイトを見やすくしたり、使いやすくするためのリニューアルも依頼可能です。例えば、スマートフォンやタブレットでもきれいに表示される「レスポンシブデザイン」への変更や、ユーザーのニーズに合わせたページ構成の見直しなど、細かな改善もできます。

サイト制作やリニューアルは、新しい家を建てるようなものですので、デザインを考えたり、どんな部屋(ページ)が必要かを決めたり、実際に建てたり(開発)、お披露目(公開)までをプロに任せられます。

また、古い家をリフォームするように、今あるサイトをきれいにしたり使いやすくしたりすることもできます。例えば、どんなスマホでも見やすくなる「レスポンシブデザイン」にしたり、お客さんが探しやすいように部屋(ページ)の配置を変えたりできます。

カスタマイズ

WordPressには多くのテーマやプラグイン(拡張機能)があり、これを使うことで簡単にサイトのデザインや機能を追加できますが、専門的なカスタマイズをすることで、さらに使いやすく、目的に合ったサイトにできます。

例えば、特定の機能を追加して、訪問者にとって分かりやすいナビゲーションを作ったり、ページの読み込み速度を上げてユーザー体験を改善したりします。オリジナルのデザインや機能を追加することで、他のサイトと差別化できるのも大きなメリットです。

保守・運用サポート

Webサイトを安全に運営し続けるためには、定期的なバックアップやセキュリティ対策が欠かせません。業務委託を通じて、これらの作業を専門家に任せることができます。

例えば、サイトがハッキングされたり、ウイルスに感染した場合の緊急対応や、普段からセキュリティホールを防ぐためのアップデート管理を定期的に実施してもらえます。また、トラブルが発生したときにすぐに対応してもらえるので、安心してウェブサイトを運用することができます。

ウェブサイトを車に例えると、安全に走り続けるには、定期点検や油さし、タイヤ交換が必要ですよね?ウェブサイトも同じで、定期的な手入れが大切です。

3. WordPress 業務委託を依頼するときのポイント

WordPressの業務委託を成功させるためには、いくつかの重要なポイントに気をつける必要があります。これらをしっかりと確認することで、スムーズな進行と満足のいく結果を得られます。

1. 契約内容の確認

WordPress業務を外部に任せる際、まずはどんな作業を依頼するのかを明確にすることが大切です。例えば、「新しいデザインの作成」「特定の機能の追加」「サイト全体のリニューアル」など、具体的な業務内容とその範囲をしっかりと決めておきましょう。

さらに、作業の完了時期や、途中経過の報告タイミングも重要です。納期や進捗状況に関する合意を最初にしっかりと取り決めておかないと、後々のトラブルや遅延につながる可能性があります。


例えとして、家のリフォームを依頼する場合を考えてみてください。どこをどう修理するか、いつまでに終わるかをはっきり決めるのと同じで、Webサイトの作業も具体的に決めておく必要があります。

2. 費用の透明性

費用に関しては、はじめにかかる初期費用と、その後の運営にかかるランニングコストの両方を明確にすることが必要です。

たとえば、サイト制作の費用だけでなく、毎月の保守や運用、追加機能の開発などが必要になった場合の料金体系についても、事前に話し合っておきましょう。これにより、「最初に思っていたよりも費用がかかってしまった」というような予期せぬ事態を防ぐことができます。

具体的には、例えば、「デザイン変更の費用はいくらか」「月々の保守費用はいくらか」「追加で機能を頼んだときの料金はいくらか」といった詳細な見積もりを依頼しておくと安心です。また、契約に含まれる作業と、追加費用が発生する作業をはっきり区別しておくこともポイントです。

3. プロジェクト管理

WordPressの業務委託を進める上で、プロジェクト管理が欠かせません。まずは、進捗状況をどのように報告するか、定期的にどんな情報を共有するかを決めておくことが大切です。例えば、「週に一度進捗報告を受ける」「キリの良いタイミングで報告を受ける」といった具体的なやり方を事前に決めておくと、プロジェクトがスムーズに進みます。

また、コミュニケーションツールも重要です。メール、チャット、ビデオ会議など、どの方法でやり取りするかを決めておくことで、迅速な対応が可能になります。例えば、すぐに相談が必要なときはチャットで手軽に質問でき、資料や報告書を共有する場合はメールを使う、といった使い分けが効果的です。さらに、タスクの進捗を管理するためのツール(backlogなど)を活用すると、どの段階で何が進んでいるのかが一目で分かり、作業が効率よく進められます。

4. 信頼できる業者選び

最後に、業務を依頼する業者やフリーランスの選定はとても重要です。選ぶ際には、過去の実績ポートフォリオを確認し、どの程度の技術力を持っているか、どんな業界やプロジェクトに対応してきたかをチェックすることが大切です。

業者やフリーランスが公開している事例を確認する際は、自分の希望するプロジェクトに近いものがあるかどうかを探すと良いでしょう。また、直接の相談や質問を通して、その業者が自分のニーズにしっかりと対応できるか、柔軟に提案をしてくれるかを確かめることも大切です。

4. WordPress 業務委託のメリットとデメリット

メリット

プロに任せることで、より専門的な対応ができる

WordPressに精通した専門家に依頼することで、技術的な知識や経験を活かした高品質な対応が期待できます。たとえば、複雑な機能の実装や、サイト速度の改善、セキュリティ対策など、社内のスタッフだけでは対応が難しい部分をスムーズに解決できます。さらに、外部のプロはさまざまなプロジェクトを経験しているため、最適な解決策を迅速に提案してくれることが多いです。

例として、サイトのパフォーマンスが遅いと感じたとき、専門家に任せれば、どのプラグインやテーマが影響しているのかを即座に判断し、最適化の提案や実装をしてもらえます。

社内でやるよりも、時間やコストを節約できる

社内で専任スタッフを育てたり、新たに人を雇用するよりも、外部に業務を委託した方がコストや時間を節約できます。社内スタッフが業務の合間にWordPressの管理を行うと、他の業務に影響が出ることがありますが、外部に委託すればその負担を減らすことができます。さらに、外注することで、急な要件にも柔軟に対応でき、必要なときだけ依頼できるため、コストの最適化も可能です。

最新の技術やトレンドを取り入れたサイト運営が可能

Web業界は技術やトレンドの変化が非常に速いです。専門家に業務を依頼することで、最新の技術やデザインのトレンドを取り入れることができます。たとえば、SEO対策やモバイル対応のデザイン、セキュリティの強化など、常に最先端の知識を使ってサイトを改善し続けることができます。これにより、競争の激しいオンライン市場でも常に優位に立つことができます。

デメリット

コミュニケーションに手間がかかる

外部に業務を委託する場合、社内で作業を行うよりも、進捗確認や作業内容のすり合わせに時間がかかることがあります。特に、依頼内容が曖昧なままだと、期待通りの成果物が得られなかったり、納期に遅れが生じることがあります。そのため、依頼する際には、具体的な指示や要望を明確に伝え、定期的な打ち合わせや報告のスケジュールを確立することが重要です。

機密情報を外部に預けるリスクがある

Webサイトの運営には、機密情報や顧客データを扱うことが多くあります。業務を外部に委託することで、これらの情報が漏洩するリスクが増えます。特に、セキュリティ面での配慮が不足している場合、重大なトラブルに発展する可能性もあります。信頼できる業者を選ぶことはもちろん、契約の際にはNDA(秘密保持契約)を結ぶことや、セキュリティ対策の詳細な確認が重要です。

長期的に外部に依存するリスクがある

外部に業務を委託し続けると、社内のノウハウや知識が蓄積されないため、長期的には外部のサポートに依存してしまうリスクがあります。例えば、急なトラブルが発生した際に、社内で迅速に対応できないケースが増えるかもしれません。また、依頼している業者がサービスを停止したり、コストが急に上がった場合も、社内で対応できるスキルが不足していると困ります。

デメリットを減らすための対策

これらのリスクを軽減するためには、以下のような対策が有効です。

  • 定期的な打ち合わせや報告を実施
    進捗状況や作業内容を把握し、定期的にコミュニケーションを取ることで、期待通りの成果物が得られるようにします。進行中の問題点や改善点を早めに話し合い、解決することで、スムーズなプロジェクト運営が可能です。
  • 機密情報の取り扱いを徹底
    NDA(秘密保持契約)を結んだり、セキュリティ対策を確認することで、機密情報の漏洩リスクを低減します。また、暗号化やアクセス制限などの技術的なセキュリティ強化も有効です。
  • 社内ノウハウの蓄積
    外部に任せる業務内容をドキュメント化し、社内でも対応できるような知識移転プロセスを設けることで、急なトラブル時にも社内である程度対応できる体制を整えます。

5. WordPress 業務委託の費用の目安

中規模サイト(30ページ以上のコンテンツ豊富なサイト)

中規模サイトでは、企業の製品・サービスページや、情報量の多いメディアサイトなどが含まれます。業務委託する先は、個人・法人などいくつかの選択肢があるため、それぞれで解説していきます。

クラウドワークスのワーカー: 80万円〜150万円
クラウドワークスなどで依頼する場合も、中規模サイトになると費用は高くなります。個々のワーカーに分担して作業を依頼し、デザイン、開発、SEO対策などを個別に進めることが多く、結果として合計のコストが増えることがあります。

フリーランス: 100万円〜200万円
フリーランスでも対応可能ですが、規模が大きくなると、すべての作業を1人でこなすのが難しい場合があります。そのため、複数のフリーランスに分けて作業を依頼することもあります。

制作会社: 150万円〜400万円
制作会社に依頼すると、デザインや機能の複雑さに応じて費用がかかりますが、プロジェクト全体を一貫して管理してもらえるメリットがあります。さらに、サイトの運営後の保守やSEO対応、デジタルマーケティング支援などもセットで提案されることが多いです。高機能なシステムを導入する場合、WordPressに特化した専門の制作会社に依頼する必要があります。

6. WordPress 業務委託を検討するためのチェックリスト

WordPressの業務委託を成功させるためには、事前にしっかりと準備をしておくことが大切です。以下のチェックリストを基に、スムーズにプロジェクトを進めるためのポイントを詳しく解説します。

1. 何を達成したいのかを明確にする

まず、WordPressの業務委託を行う際には、最終的なゴールをはっきりさせることが重要です。例えば、新しいサイトを立ち上げたいのか、既存サイトのリニューアルなのか、保守や運用を任せたいのかによって、必要な作業内容やリソースが変わってきます。また、短期的な目標(例えば、1ヶ月以内に特定の機能を追加する)や、長期的な目標(売上や訪問者数の増加)を明確にしておくと、業者とのコミュニケーションがスムーズに進みます。

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  • 「現在のサイトをよりモバイルフレンドリーにして、離脱率を下げたい」
  • 「CMS機能を強化して、社内で簡単にコンテンツを更新できる仕組みを導入したい」
  • 「UI/UXを改善して、ユーザーがより直感的に操作できるデザインに変更したい」
  • 「FAQページを設置して、ユーザーからの問い合わせ対応を効率化したい」
  • 「ユーザーの使い勝手を向上させるため、検索機能やフィルタ機能を追加したい」

具体的な目的があれば、業務委託先も最適な提案や作業を行いやすくなります。

2. 予算と納期を設定する

次に、予算と納期を事前に設定しておくことが非常に重要です。予算が決まっていないと、後で費用が膨らんだり、コストが合わない提案を受けたりすることがあります。また、プロジェクトの規模や要求する機能によって費用が大きく変わるため、委託先と相談して見積もりを取りながら柔軟に考える必要があります。

納期についても、いつまでに完了したいかを具体的に決めましょう。例えば、新製品のローンチに合わせたサイトリニューアルなど、時間的な制約がある場合は早めに伝えておくことが大切です。納期が厳しい場合は、その分リソースを増やす必要があるため、コストにも影響することを念頭に置いておきましょう。

3. 必要な機能やコンテンツをリストアップする

サイトにどのような機能やコンテンツが必要かをリストアップし、具体的に整理しましょう。これによって、委託先に対して明確な要望を伝えることができ、最終的な成果物が自分たちのニーズに合ったものになります。

機能に関しては、ユーザーにとって使いやすいサイトを構築するために、必要なものを洗い出します。

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  • カスタム投稿タイプ(特定のコンテンツ形式が必要な場合)
  • フォーム機能(お問い合わせ、資料請求、申し込みなど)
  • 会員登録機能(ユーザーのログインと登録)
  • 絞り込み検索機能
  • イベント・カレンダー機能

コンテンツに関しては、テキスト、画像、動画などの具体的な内容や分量を決めておくと、後から追加作業が発生するリスクを減らせます。

4. 社内でできることと外注することを整理する

WordPress業務委託を成功させるためには、どこまで社内で対応できるかを整理し、外注する部分を明確に分けることが重要です。社内でできる部分はコスト削減につながる一方、外注が必要な部分にはプロのスキルや時間を活用することで、全体の効率を上げることができます。

例えば、以下のように分けることが考えられます。

  • 社内で対応する部分: 既存のコンテンツ作成や軽いメンテナンス、ブログの更新作業など。
  • 外注する部分: デザイン、サイト全体のリニューアル、機能開発、アップデート、バックアップなど。

こうした整理を事前に行うことで、外注する部分に集中してプロフェッショナルなサポートを受けることができ、無駄なコストや時間の浪費を防ぐことができます。

5. セキュリティや法律に関する要件を確認する

Webサイトを運営する上で、セキュリティや法律に関する対応も重要なポイントです。特に、個人情報を扱うサイトやECサイトでは、セキュリティ対策や法律(例:個人情報保護法やGDPR)の遵守が必須です。業務委託を行う際には、これらの要件に沿った対応ができる業者かどうかを確認しましょう。

具体的な対策としては:

  • SSL証明書の導入: サイトの通信を暗号化するため、信頼性の高いSSL証明書が必要です。
  • 個人情報保護対策: 顧客データや会員情報を安全に保管するための対策(データベースの暗号化、アクセス制限など)。
  • セキュリティアップデート: WordPressのコアやプラグインの定期的な更新によるセキュリティリスクの低減。

これらの対策をしっかりと取ることで、トラブルを防ぎ、サイト運営が長期的に安定するようにしましょう。

8. まとめ

WordPress業務委託は、サイト運営を効率的に進めるための強力なサポート手段です。プロの専門知識を活用することで、社内のリソースを節約しつつ、高品質なサイトを構築・運営することが可能になります。特に、技術的な課題や時間の制約がある場合、業務委託は効率的な解決策となります。

ただし、成功の鍵は信頼できるパートナーを選ぶことです。業者やフリーランスの実績や信頼性、過去のプロジェクト事例をしっかり確認し、自社のニーズに合った相手を選ぶことが大切です。また、最初に明確な目標と計画を立て、コミュニケーションを密に保ちながら進めることで、期待通りの成果を得ることができます。

次のステップとして、まずは自社のニーズを整理し、具体的な要件をリストアップしておきましょう。その上で、複数の業者から見積もりを取り、サービス内容や費用感を比較検討するのがおすすめです。これにより、コストパフォーマンスの高い業者を見つけやすくなります。

不明点や具体的な相談があれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。専門家のアドバイスを受けることで、さらに適切な選択ができるはずです。

この記事を書いた人

浅賀理生(あさかまさお)

株式会社インスパイアデザイン代表。釣りとコーヒーをこよなく愛する家族LOVEな二児のパパ。WordPressを用いたWeb制作&開発のご相談はお気軽にどうぞ