はじめに
WordPressサイトを運用していると、サーバーの変更や移行を検討する機会が出てくることがあります。しかし、サーバー移行は単純な作業ではなく、専門的な知識や経験が必要です。
そのため、多くの方が専門業者への依頼を考えるのではないでしょうか。移行を検討する際には、ブログ運営者であっても、法人でのWebサイトやメディア運用であっても、サイトの仕様やサーバー環境、移行先の条件により、かかる費用が大きく異なることがあります。
本記事では、WordPressの移行に伴うトラブルや対策を交えながら、実際にどのような費用がかかるのか、様々なケースを基に解説していきます。
WordPressの移行でよくあるトラブル
WordPressサイトの移行は、Webサイト運営者にとって重要な作業ですが、同時に様々なトラブルが発生する可能性もあります。費用について解説する前に、WordPressの移行でよくあるトラブルとその対策について解説します。
1. 表示に関するトラブル
画面が真っ白になる
原因: ファイルの転送漏れや設定ミス
対策:
- すべてのファイルが正しく転送されているか確認
- wp-config.phpの設定を再確認
- エラーログを確認し、具体的な問題を特定
サイトの表示が崩れる
原因: テーマファイルやCSSの移行が不完全
対策:
- テーマファイルとCSSが完全に移行されているか確認
- 新環境でのパスが正しく設定されているか確認
画像が表示されない
原因: メディアファイルの移行漏れやパスの設定ミス
対策:
- メディアファイルが正しく転送されているか確認
- メディアライブラリの再構築
- 画像のURLパスが正しいか確認
2. 機能面のトラブル
管理画面にログインできない
原因: データベース接続の設定ミスやユーザー情報の移行漏れ
対策:
- wp-config.phpのデータベース接続情報を確認
- PHPMyAdminなどでユーザーテーブルを確認し、必要に応じて修正
プラグインが正常に動作しない
原因: プラグインファイルの移行漏れや新環境との互換性の問題
対策:
- プラグインを再インストールまたはアップデート
- 互換性の問題がある場合は代替プラグインを検討
3. データベース関連のトラブル
データベース接続エラー 原因: wp-config.phpファイルの設定ミスやデータベースの移行が不完全
対策:
- wp-config.phpのデータベース設定を再確認
- データベースが正しく移行されているか確認
- 必要に応じてデータベースを再インポート
4. その他のトラブル
URLにアクセスしてもサイトが表示されない
原因: DNSの設定ミスやサーバー設定の問題
対策:
- DNSの設定を確認し、必要に応じて修正
- サーバーの設定を確認し、適切に設定されているか確認
SEOへの悪影響
原因: URLの変更や301リダイレクトの設定ミス
対策:
- 旧URLから新URLへの301リダイレクトを適切に設定
- XMLサイトマップを更新し、検索エンジンに再提出
- Google Search Consoleにて変更を通知
WordPressサイトの移行については、上記のようなトラブルが発生する可能性があるため、もしご自身で移行を行うのであれば慎重に作業を進めましょう。
不安な場合は専門家に相談するのが間違いありません。
WordPressサイト移行の具体的な作業手順
トラブルについて解説していきましたが、専門家に相談するにしても、移行に関する作業手順の概要を把握しておきましょう。
1. 移行前の準備
バックアップの作成
- プラグインを使用して現在のサイト全体をバックアップ
- データベースのエクスポート
- FTPを使用してサイトのファイルをダウンロード
新しいサーバーの準備
- 新しいホスティング環境を設定
- 必要なPHPバージョンとMySQLバージョンを確認
2. ファイルの転送
WordPressコアファイルの転送
- FTPクライアントを使用して新サーバーにファイルをアップロード
- wp-config.phpファイルは転送せず、新しく作成
テーマとプラグインの転送
- wp-content/themes/とwp-content/plugins/ディレクトリを転送
アップロードファイルの転送
- wp-content/uploads/ディレクトリを転送
3. データベースの移行
新しいデータベースの作成
- 新サーバーで新しいデータベースとユーザーを作成
データベースのインポート
- PHPMyAdminなどを使用して、バックアップしたデータベースをインポート
wp-config.phpの設定
- 新しいデータベース情報で wp-config.php を作成
- 必要に応じてWP_HOME と WP_SITEURL を設定
4. DNS設定の変更
- ドメインのDNS設定を新しいサーバーのIPアドレスに変更
5. 最終確認
WordPressの移行でよくあるトラブルで記載したトラブルリストを参考に、移行後のWebサイトが崩れていないか?WordPressは正しく機能しているか?などを確認します。
サーバー移行にかかる費用は?
移行にかかる費用については、利用中のサービスやシステム、納期、規模により異なるため一概には言えないですが、リサーチした結果、5万円〜30万円程度が一般的でした。
弊社でも移行についてはお見積もりとなりますが、平均するとサーバー移行に関しては、6万円〜8万円が平均となっています。
しかし、WordPress本体、プラグイン、テーマ、PHPのバージョンなどのアップグレードを望まれる方も多いためサーバー移行の際に、WordPress本体、プラグイン、テーマ、PHPのバージョンなどを望まれる方も多いため、その場合ですと、バージョンアップやバックアップ、テスト環境の構築などが費用に加味され、総額の費用感としては15万円〜30万円程度になることが多いです。(小〜中規模サイト)
サーバー移行の際、追加で費用が発生する可能性があるリスト
- テスト環境の構築
- 既存のサーバー
- 管理画面の有無
- 環境の相違
- PHPのバージョン
- WordPress本体のバージョン
- テーマのバージョン
- プラグインのバージョン
下記は先日お見積もりをさせていただいたとある企業様のサービスサイトのサーバー移行及びバージョンアップ・バックアップの見積書です。
専門家に依頼することで得られるメリット
- 迅速かつ確実な移行:経験豊富な専門家なら、数日で安全に移行を完了できます。
- データの安全性確保:適切なバックアップと慎重な作業により、データ損失のリスクを最小限に抑えられます。
- SEO評価の維持が可能です。
- 長期的なコスト削減:初期投資は高くても、問題発生時の修復コストや機会損失を考えると、結果的に経済的です。
WordPressサイトの移行は、ビジネスの継続性と成長に直結する重要な作業です。短期的なコスト削減よりも、長期的な安全性と効果を重視し、信頼できる専門家に相談することをお勧めします。適切な投資は、将来的な成功と安定したオンラインでのプレゼンスに直結します。