WordPressのマルチサイトは、1つのWordPressで複数のサイトが管理できるようになる機能で、多数のメディアサイトやブランドサイトの運営を行う場合などに、サイトを一括で管理出来るようになり、とても便利な機能です。
ただ、そんなマルチサイト機能ですが、意外と「かゆいところに手が届かない」ことが多く、運用を始めると難儀なことも多々・・・
よく伺う内容に、下記のようなものがあります。
- 「今運用しているマルチサイトに、別で運用しているWordPressのシングルサイトを取り込めたらなぁ・・」
- 「いろんなサーバーで、たくさんWordPressのブログを管理しているけど、1つのWordPressでまとめて管理できるようにできたらなぁ・・」
実はそれ、プラグインでカンタンに実現できてしまうんです!
今日はそんなプラグインのご紹介と、使い方を見ていきましょう。
ステップ1. プラグインをインストールする
今回利用するプラグインは All in one WP Migration というプラグインです。
このプラグインはたった2つの手順で、1つのWordPressのサイトを、全く別のWordPressに完全にコピーできてしまうという優れものです。
アップロードしたデータやデータベースの情報だけではなく、利用しているテーマからプラグインまで、ありとあらゆる情報を完全にコピーしてくれるので、サイトのバックアップや移設などに非常に威力を発揮するプラグインです。
このプラグインは通常、シングルサイトにしか対応していないのですが、有償のアドオン「Multisite Extension」を利用することで、マルチサイトにも利用出来るようになります。
下記にマルチサイトをコピーするときの方法を解説していますが、このアドオンを組み合わせることで、マルチサイトであっても、本当に一瞬で複製が作れてしまうのです。
「Multisite Extension」について
All in one WP Migrationの有償アドオン「Multisite Extension」は、マルチサイトがコピーできるようになるというのが基本的な機能なのですが、それ以外にも便利な機能が提供されています。
その1つが「マルチサイトのWordPressに、シングルサイトのデータを取り込んで、マルチサイトの1つにしてしまう」という機能です。
この機能を使うことで、
- 今運用しているマルチサイトに別のWordPressのサイトを後から統合
- 新しく設置したマルチサイトのWordPressに、いろんなサーバーで運用しているWordPressのデータをまとめて取り込んで、1つのWordPressにまとめてしまう
といったことが実現できるのです。
ステップ2. マルチサイト用アドオンを購入してインストールする
「Multisite Extension」の購入は、下記のページから行うことが出来ます。
画面下部「今すぐ購入$199」をクリックすることで支払いを方法を選択する画面が表示されますので、任意の支払い方法を使って支払いを行って下さい。
購入が完了すると、販売元のServMaskから下記のようなメールが届きます。
メール内部にプラグインのダウンロードリンクが記載されているので、そちらからプラグインをダウンロードしましょう。
こちらのプラグインも移設元のWordPressにインストールをして下さい。
ステップ3. 移設するシングルサイトのデータをエクスポート
最初に取込対象のWordPressから、データを抽出(エクスポート)する必要がありますので、取込対象のWordPressにWP All in one Migrationプラグインを導入しましょう。
アドオンは?
購入した「Multisite Extension」はマルチサイトで稼働させるときに必要になるアドオンなので、移設元のWordPress(シングルサイト)では必要ありません。
プラグインが有効になっているのを確認したら、プラグインの設定画面を開き、エクスポートから「ファイル」をクリックして下さい。
完了すると、サイト全体のデータがまとまって圧縮されたアーカイブファイルがダウンロード出来るようになります。
コレをダウンロードしましょう。
ステップ4. 移設先のマルチサイトにプラグインをインストール
次に、移設先(サイトを取り込みたい)WordPressに、こちらもWP All in one Migrationプラグインと、購入した「Multisite Extension」アドオンをインストールします。
インポート前の注意
なお、移設先は「マルチサイト」である必要があります。
シングルサイトを強制的にマルチサイトにする機能などはありませんので、Aのシングルサイトと、Bのシングルサイトを1つのマルチサイトにまとめたいといった場合、それとは別にCのマルチサイトを新規に作成して、そこに後からAのサイトとBのサイトを統合するといった手順が必要です。
ステップ5. 移設先のマルチサイトにデータをインポート
プラグインがインストール(導入と有効化)できたら、プラグインのインポート画面を開きましょう。
そこにステップ1でダウンロードしたサイトのデータをアップロードしてください。
ファイルのアップロードが完了すると、警告画面が表示されます。
要は「データベースやテーマやプラグインを上書しちゃうけどオッケー?」という確認となりますので、問題無ければ「PROCEED」ボタンをクリックして進みましょう。
次に、マルチサイトとして登録する際のURLを指定するダイアログが表示されます。
マルチサイト内でのURLを決定し「PROCEED」ボタンをクリックして続けましょう。
無事インポートが完了すれば、下記のような画面が表示されます。
CLOSEをクリックして閉じた後、サイトネットワークの管理画面「サイト」メニューから、先ほどインポートしたサイトが正しくマルチサイトに登録されているか、確認をしてみて下さい。
ステップ6. サイトの状態を確認する
サイト管理画面に問題無くサイトが取り込めていたら、次に取り込んだサイトを表示させてみましょう。
問題無くサイトが表示され、サイト内部のリンクなども正しく動作しているようであればこれで完了です!
楽しいマルチサイトライフを送って下さい。
複数のサイトをマルチサイトにインポートする場合は、ステップ1〜2をインポートするサイトの数だけ繰り返して、必要なサイト全てをマルチサイトに取り込んで下さい。
本当に簡単に取り込めてしまうので「大丈夫かな・・」と不安になるかもしれませんが、安心して下さい、大丈夫ですよ。
リンクが動作しなかったら…
もし、ここでリンクが404になってしまったりする場合、パーマリンク構造が正しく構成されていないかもしれません。
移設したサイトの管理画面に移動し、「設定」の「パーマリンク設定」から特に何もせず「保存」ボタンをクリックして.htaccessを更新してみてください。
おわりに
さて、いかがだったでしょうか?
マルチサイトは便利ですが、1度構築をしてしまうとURLや設定などを変えづらく、また後から構築済みのWordPressを登録することなども出来ません。
そんなときにこの方法を使えば、簡単に外部のサイトをマルチサイトに統合できてしまえるので、たくさんのサイトをWordPressで運用している方には、是非試して頂きたい方法です。